トルコ料理に愛はあるか

日比谷のトルコ料理屋さん。
ランチセットを注文すると、すぐにスープがでてくるのだけど、
これが、繊細な味がして、落ち着く。

素材が絡み合って、のぺっとしていなくて、
異国で、試行錯誤のうえ、組合さった味かしらと、
想いを馳せる。

キッチンにいる人は、見習いの若者中心に、
ニコニコ、楽しそうに調理をしている。
こんなにもやかましく忙しない、この場所で。

きっと、この仕事、好きなのね。
自分の料理に、自信をもっているのね。


そんな思考の中、届けられたメインディッシュは、
やっぱり、おなかもこころも、満たされる。


そこにあるのは、きっと、愛。
丁寧にコトコト調合されたスープ。穏やかな笑顔に溢れたコックさん。

ほんとうは、スープはレトルトかもしれないし、
コックさんは、お客の悪口をいって笑い合ってただけかもしれない。
利益を追求するための、下心もあるだろう。


それでも、わたしは、
とても非論理的で、三段跳びくらいした思考回路で、
そこにあるふたしかな愛を、むりくり見出して、満たされている。


ああ、わたしが今ほしいのは、愛なんだろう。
きみに、愛は、あるのだろうか。


ごちそうさまでした。